[RPG]アスピック/(1)ゲーム紹介_01ジャケット画像[RPG]アスピック/(1)ゲーム紹介_02タイトル画面

クリスタルソフトが1986年に発売したロールプレイングゲーム。1984年に発売されたRPG「リザード」の続編であり、PC-6000シリーズ用にリリースされた最後のRPGであると思われます。最初にPC-6001mkII版がリリースされ、その後FM77AV版、X1版、更にファミコンディスクシステム版と移植された珍しいゲームでもあります。

機種: PC-6001mkII / mkIISR / PC-6601 / SR
開発: クリスタルソフト株式会社
販売: クリスタルソフト株式会社
発売年: 1986年8月中旬~下旬と思われる。
定価: テープ版 4,800円 ※ディスク版は有りません。
メディア: テープ版…カセットテープ 1本組
付属品: イラスト集付マニュアル

前作「リザード」は呪いをかけられた姫を救う為に、伝説の古い塔を探検して「真実の書」を手に入れるというストーリーでした。「アスピック」は「真実の書」を手に入れた勇者が城に帰ってきた所から始まります。しかし、姫は魔法使いに連れ去られ、蛇の王アスピックと無理矢理結婚させられようとしていました。その姫を助けようとまた冒険に出発する物語です。人生は酷ですね。

「リザード」では塔の中を探検するRPGで一人称3Dの画面でしたが、「アスピック」では世界が広がり、地上はトップビュー、城や塔は3Dになっています。初期Ultimaに少し近いと言えましょうか。4つの世界を巡ってそれぞれに位置する塔を攻略し、必要なアイテムを取得して、アスピックの元に迫ります。また「リザード」では主人公の勇者の名前は任意でしたが、「アスピック」では「サムソン」に固定されています。

途中遭遇するNPCの剣士と話をしてパーティを組むこともできます。また、モンスターとの戦闘になると、画面下部にサイドビュー形式でキャラが表示され、ちょっとしたアクションゲームとなります。といっても操作は簡単なのですが。なお、戦うのはパーティーではなく、一人ずつです。

「アスピック」と言えば、何といっても物議を醸したであろうエンディングでしょう。ハッピーエンディングで終わる事が多かった当時のRPGとは相対する、プレイヤーを絶望に落とす内容でした。私も含め当時少年だった人たちはプレイしてしばらく鬱になったんじゃないかと思います(笑)シナリオを考えた方がどういう気持ちでこのエンディングにしたのかは想像できませんが、時代は既にファミコンブームであり、ドラゴンクエスト(1986年5月27日発売)が話題となっていました。またPCでもザナドゥやハイドライドIIなどのRPGが人気を博していた頃でした。それらは「悪の権化を倒し、世界に平和を取り戻す」という勧善懲悪のストーリーです。「アスピック」はそれらに対するアンチテーゼとしてこのエンディングを選んだのではないかと勝手に想像しています。

「軽井沢誘拐案内」のゲーム紹介の記事でも書いたのですが、管理人は1987年6月に札幌で(たぶん丸井今井札幌店のハドソンショップ)これを買いました。実は当時3Dが苦手でダンジョンに苦労したのですが、頑張って解きました。そして最後の展開にやられてしまいました(笑) 印象のすごく残っているソフトで、いつかもう一度手に入れたいと思っていましたが、期せずして譲り受ける事ができました。この場を借りてお礼を申し上げます。

 発売日及び開発者について 

Wikipediaの「アスピック」の項をみてみると、PC-6001版の発売は9月となっています。

発売日について資料の提供を募ってみた所、ラッセル社PCマガジン1986年11月号に

 1986.8.7(初回出荷の日)

との記載が有りました。また、ログイン1986年9月号(8月8日発売)の広告では「近日発売」、同10月号(9月8日発売)では「発売中」との記載がありました。これらより、明確に発売日は設けられておらず、8月7日に出荷を開始し、8月中旬~下旬には全国各地で販売を開始したと考えるのが妥当でしょう。

PCマガジン1986年11月号の記事。
[RPG]アスピック/(1)ゲーム紹介_03PCマガジン8611

ログイン1986年9月号の広告より。
[RPG]アスピック/(1)ゲーム紹介_04ログイン8609

ログイン1986年10月号の広告より。
[RPG]アスピック/(1)ゲーム紹介_04ログイン8610

このPCマガジンの記事にはサムソンの履歴書なる物があり、その中に

 父 鴻野毅(作者) 母 石田龍彦(グラフィック)

ともあります。管理人が持っているパッケージの背表紙の部分には「by T.Kono」とあり鴻野毅氏ではないか?と予想していましたが、この記事で確定しました。グラフィックの石田氏は取扱説明書に載っているモンスターのイラストなども手がけられているものと思います。二人で全部を作ったのかというと疑問の残る所でありますが、こればかりは関係者の方のお話を聞く他ないでしょうね。ちなみに、この記事には制作者からのコメントが有り、サムソンは「アスピック主人公キャラクターオーディション」で選ばれたと書かれています。性格付けなんかもされていて面白いですね。

 2013年6月14日追記 発売日について 

先に話が少し外れますが、X1版アスピック・スペシャルはソフトベンダーTAKERUでの専売であり、価格が4,800円です。しかし、広告を見ると「市販価格 6,800円」と別に記載されており、これは何を指しているのだろうか?と疑問に思っていました。もしかして、X1の市販パッケージの事なのだろうかと思いつつ、いろいろ聞いてみたり、雑誌を見てもらったりいただいた所、これはFM77AV版の事を指してるんじゃないのかな?という指摘が有りました。(ちなみに(2) 発売から27年経って知った事ではX1テープ版及びディスク版のアスピック・スペシャルに関してもほんの少しですが述べています。)

この関係で雑誌「ポプコム」1986年9月号の広告を見せていただいた所、PC-6001mkII版が「8月中旬発売予定」と記載されていました。上の方で管理人は8月中旬~下旬に全国で販売を開始したのではないかと述べていますが、クリスタルソフトが8月中旬の発売を考えていたのは間違いないのではないでしょうか。

[RPG]アスピック/(1)ゲーム紹介_05ポプコム8609




(取扱説明書よりストーリー)

 「王様!真実の書を取ってまいりました!」やっと1人
の若者が真実の書を手にし、城へと帰って来た。しかし、
呪いをかけられ、真実の書を持つ者を待っているはずの姫
はいなかった。驚く若者に王は、これまでのことを話し始
めた。――姫に呪いがかけられてから、呪いをとくために
必要な「真実の書」を手に入れようと、何人もの勇者が旅
に出たという。しかし、これまで誰ひとりとして帰って来
た者はいなかった。そして最後に行った若者もまた、帰る
ことはあるまいと、あきらめていたのだった。
 そんなとき、つい3日前に、この国の南にある砂の世界
から魔法使いがやってきた。彼は、「私の力なら、この姫に
かけられた呪いをとくことができる。」と言い、そのために
は姫を砂の世界の塔へ、連れて行かねばならないと行った。
 そして王は、すがるような気持ちで、その魔法使いに姫
を預けることにした。その魔法使いひとりで姫を砂の世界
の塔へ運ばせるのが心配だった王は、選りすぐられた10人
の兵士をお供につけた。
 2日後、昨日のことだった、1人の兵士がこの世の物と
は思えぬ程の形相で城にたどり着いた。
 「…あの魔法使いは、たしかにお姫様にかかった呪いを
ときました。しかし、城へ帰す気などありません。魔界に
すむ、アスピックという毒蛇の王に頼まれ、お姫様を連れ
去り、無理やり結婚させようとしているのです。我々10人
は、なんとかお姫様を取り戻そうとしたのですが、半分は
塔の中で殺されてしまい、やっと塔から逃げ出せた5人も、
砂の世界の暑さのためつぎつぎと倒れてしまいました。
やっとのことで私だけが生きのびたのです。あの魔法使いの
いる、砂の世界の塔は、とても生身の人間が行ける所では
ありません。しかし、お姫様が魔界へ連れて行かれる前に、
一刻でも早く助けださねばなりません。そのためには、真
実の書を持った者が、海の世界へ行き、そこで………」こ
こまで話して、兵士は力つきた。

 王は、姫を助けてくれと、再び若者に頼んだ。真実の書
を持つ勇者サムソンは、お姫様との結婚を約束され、いく
らかのお金をもらって城を出た。再び彼の冒険が始まろう
としている。




―――そしてまだ終わりません。記事は更に続きます。 ―→ (2)へ。

(攻略情報を載せられるようになるまではまだまだ時間がかかりそうです。ごめんなさい。)
2013/06/14 21:58
発売日に関してポプコム1986年9月の広告の情報を追記しました。
写真をいただいた欒(まどか)さん、ありがとうございます。
2013/08/05 1:12
(2)の記事の修正に関して、こちらも一部修正。